■ 背伸びせずにふらっと飲みたい
用事を済ませて博多駅。
帰るにはまだ早いが、さて何をしようか。そんな時もよくあるのではないだろうか。
「ちょっと美味いものでも食べて帰りたい」
ふらっと歩いて辿り着くのは【駅から三百歩横丁】。
辿り着いたと言っても駅からほとんど歩いてない。
確かに三百歩ぐらい。
最高の立地に求めていた場所がある。
【駅から三百歩横丁】
早くも入り口からテンションが上がってきた店舗一覧を見て思わず「ヒュ〜ッ」と口笛がでそう。
一度は耳にしたことはある福岡の有名店がこれでもかと並んでいる。弾むような足どりで横丁に入ると、横丁内はどの店も活気に満ち溢れている。仕事の時間よりもいささかリラックスした雰囲気のOLさんたちも、そこそこで楽しそうにしている。ディナータイムはやはり満席も多いらしいが昼過ぎや21時以降などはカウンター席も空いていて、行列必須の博多グルメ店でもすぐに席につける可能性が高い。
さっそく博多のうまいもんをいただこう…。
ビストロ ジドリーノ
ここの名物はなんといっても宮崎の地鶏「地頭鶏(じとっこ)」だろう。
福岡は九州中の名物が大集結する県なんだ。
そして、ジドリーノのような人気店が何の気兼ねもなく入れるのは横丁の特徴だ。
地頭鶏は霧島山の天然水と野菜たっぷりの餌で育てられた、最高級ブランド地鶏だ。
肉に地鶏特有の硬さがなく、柔らかく甘みがあって、しっかり焼いてもジューシーという特徴がある。
そんな最高ランクの地鶏を宮崎から毎日直送しているっていうんだから、カジュアルなようで実は生真面目な店なんだな。
〜頼んだのは〜
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〜地頭鶏ささみのワカモレ〜
まずは、「五ヶ瀬ワイン ナイアガラ」で乾杯し、嗜みながら待っていると美味しそうな地頭鶏ささみのワカモレが運ばれてきた。
ワカモレとは実はメキシコ料理。地頭鶏のささみとアボカドをワサビマヨネーズであえた仕立てのワカモレ。
トルティーヤチップにつけても、混ぜてもおいしく食べられる。
〜ダイワファームの自家製モッツァレラ〜
これまたワインに合う1品。ダイワファームとは宮崎県にある酪農から加工までを一貫して自社で行うチーズ工房である。
そんなこだわりのチーズをこんなに気軽に味わえる。
ちょっぴり贅沢感がうれしい。
トマトと一緒にいただくのはもちろんだが、皿の上にはマスカットも。
マスカットとチーズ?と思ったが、食べてみるとなんと合う!
チーズのまろやかさと塩気が、マスカットの甘味とみずみずしい食感にマッチするではないか。
〜天然エビのアヒージョ〜
出汁のきいたオイルに浸かった海老とマッシュルームはワインとの相性も100点の一品。
バケットに乗せて食べてよし、バケットだけをたっぷりのオイルに付けてよし。
手を脂だらけにしながらもなぜか地中海のレストランにいるような優雅な気分になるのがアヒージョのよいところだ。
メニューを何気なく見ていると、ランチメニューに目が止まった。
こんな洒落た店だが、ランチタイムでは「チキン南蛮」が大人気メニューらしい。
気分に合わせて6種のソースを選べる何とも楽しいランチとなっている。
ランチでもセンスの良さを伺える。
二○加屋長介(にわかやちょうすけ)
ふわっと香る何ともいえない美味しい匂いが迷い込んできた。
“ちょい飲み・ガチ飲み・うどんのみ”どれでもOK
なんてふれこみにつられて入ったのは【二○加屋長介】(にわかやちょうすけ)。
実は博多は一説で“日本のうどん文化の発祥の地”といわれ、県民はうどんが大好きだ。その博多うどんのブームの先駆けが【二○加屋長介】だ。
「博多うどんは関門海峡を越えられない」なんていう言葉も聞いたような気がするけど、【二○加屋長介】は東京に出店するやいなや連日メディアを賑わしてりっぱに全国区のうどん店になっている。
酒も常時100種類以上揃えてあるなんてさすがうどん居酒屋。
よし、私も流行りに乗っかってみるか。
〜頼んだのは〜
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〜厚切り雲仙ハムカツ〜
〜肉豆腐〜
〜田中六五〜
まずはお酒のアテにこの最強3品。
「ハムってこんなに分厚かったっけ?」
早くも想像を超えてきた厚切り雲仙ハムカツはサクサクの薄い衣の中で肉厚ジューシーなハムが絶品。
口いっぱいに旨味が広がって…。
こんな美味いハムカツは食べたことがない。
これぞ最上のハムカツ!
「肉豆腐」は黒毛和牛ロースを大量に乗せた一品。
甘めにたいた豆腐はぜいたくな味わい。
日本酒と一緒にいきたい。
〜田中六五〜
お酒は田中六五をチョイス。
メニューに合わせて糸島の銘酒を店員さんが注いでくれた。
こんな心遣いも、横丁特有の人情味なんだろうなぁ。
〜鶏スープあつかけ〜
ついにきました、ちょうすけ名物のうどん。
まずは濃厚鶏白湯スープを一口すする。
モミジ(鶏足)が煮込まれてトロトロのスープはなんとも言えない未体験の味だ。
少しコシのある麺はいわゆる「福岡風うどん」と少し違う。
(一般的な福岡うどんはコシがないのが特徴)
博多名物の水炊き風の濃厚なスープの味わいに、箸が止まらない。
お酒のシメには多いかな、という人は「小盛」を頼めばいい。
普通盛りを2人でシェアしてみるのも粋な食べ方かも知れない。
今度、食事の2件目で部下を連れてきてドヤ顔で注文してみようか。