■「福岡 グルメ」でググっても分からない銘店とは
福岡県といえば、博多を中心に日本有数のグルメの街として広く知られている。
ググってみると、口コミサイトや大手クーポンサイトがいろいろな情報を掲載している。
しかし、情報が多いだけに選び始めるときりがない。
そんな時にオススメするのが、2016年、博多駅の博多口「KITTE」横の地下にオープンした【駅から三百歩横丁】。
横丁。
なんて魅力的な言葉だろうか。
カップルで、少人数で、もちろん1人でもフラっと入りやすさを感じさせる魅力がこの言葉にはある。
【駅から三百歩横丁】は最高の雰囲気で全国区でも有名な銘店がいくつも軒を連ねている。
普通は、週末には予約が取れない人気店ばかりだが、1人だから運良く入れた銘店を今日はご紹介。
もつ鍋 一慶(いっけい)
【一慶】といえば、博多を代表するもつ鍋の銘店。
著名人も足繁く通うことで有名で、もちろん多くの高評価口コミまで事前にチェックをしている。
使われているもつは厳選された新鮮な国産和牛のみで、当日仕入れた脂の状態を見て各部位をブレンドして提供してくれるらしい。
もつをブレンド??
なんだか銘店のこだわりの強さを感じる。これで美味くないわけがない。
赤と白の暖簾をくぐったらまず一番に目に飛び込んでくるのが、四角の大鍋でぐつぐつと煮込まれた大鍋や大盛りの手羽醤油たちだ。
「こりゃあ、もつ鍋だけじゃない絶品メニューも見つかりそうだ…。」
〜頼んだのは〜
|
〜牛すじ串の(味噌・辛ミソ)〜
「モツは食べたいけど、1人でもつ鍋は食べきれない。
そんな要望を叶えてくれるのが、大鍋でグツグツと煮込まれた「牛すじ串」。もつ鍋のスープで何時間も煮込まれた牛すじはとても柔らかくて風味が豊か。
これが一本180円!
やっぱりこれは旨い!
博多名物の柚子胡椒をたっぷり付けて何本でも食べてしまいそうになる。
〜酢もつ〜
博多名物といえば「酢もつ」。
そう答える美食家も多いだろう。
でも、そんな絶品料理がこんなに山盛りで食べられる店を知っているかい?
もつ鍋屋でもつ鍋を食べないという日があってもいい。1人の時は旨い料理を少しずつつつくのが横丁の楽しみ方だ。
次に来た時は、仲間と来て鍋をつつこう。
また来る理由ができてしまった。
深みのあるメニューには、フルーティーな純米酒が合う。香りが華やかで後味がさっぱりしているからひと口食べる度に喉をリフレッシュさせてくれる。
焼き鳥の八兵衛
福岡の人間だったら1度は聞いたことがあるであろう【焼き鳥の八兵衛】。
東京の六本木やハワイ、台湾にも出店している誰もが認める“博多焼きとり”の銘店だ。
そんな評判を知っていたからか、カジュアルな横丁の中でも和風のゴージャスな店構えがどこか堂々たる荘厳さを感じさせる。
福岡の焼き鳥は豚バラが名物。
福岡ではまずみんなこぞって豚バラを注文する。
しかも福岡では鳥だけでなく野菜、牛、魚など串に刺すとなんでも焼き鳥になる。
もちろん【八兵衛】も自慢の豚バラをはじめ、いろんな串がメニューに並ぶ。
こだわりの備長炭で焼き、創業から30年継ぎ足している秘伝タレで味付けされ、テーブルに並ぶ。
〜頼んだのは〜
|
〜えんどう豆の串揚げ〜
ここに来たら絶対に頼まなければならないのがこれだ!
豆は甘さ控えめでビターな味わいだが、きめ細やかな山椒塩が素材の甘さを引き出してくれる。
薄い衣とマッチしてほのかな甘さが口の中で静かに広がってくる。
これは他では食べることができない。
〜定番盛り〜(豚バラ、ぼんじり、砂ずり、野菜巻き、手作りつくね)〜
福岡名物の豚バラは脂がじわりと下に広がる。
つくねは甘辛いタレが肉の柔らかさを引き立てて口の中で溶け込んでいく。
定番メニューの串盛りは瞬発力はないもののしみじみと味わい深くてビールとの相性も抜群だからやめられない。
メニューを見てみると、串だけじゃない「八兵衛のうまかもん」として、牛テールやごま鯖、炙り明太子など、博多を代表する郷土料理が盛りだくさんだ。
博多 たんか
【博多 たんか】といえば、牛タン名物の仙台出身者がわざわざ来店する、とも言われる本物の銘店である。
福岡県内でも、清川・天神、そしてこの博多横丁店しか店がない。つまり、本当に福岡でしか食べられない銘店なのだ。
一番希少価値の高いタン元だけを使っていて、カットも職人の手切りと徹底している。
肉の厚み、食感ともにトップクラスと名高い。
「一口食べて頂いたら必ず笑顔にする自信があります」
そんな心を虜にする言葉を店内で見つけて、ますます胸の高鳴りが抑えられない。
赤と黒が基調で牛のモチーフが印象的な店内は他の店とは違って、他の空間とは壁で仕切られていて落ち着いた雰囲気。
横丁の中でも完全個室がある唯一の店で、横丁特有の活気がありながらも接待でも使える穴場の人気を誇っている。
通常は予約必須だが、今日はたまたまカウンター席が空いていた。
さて、どんなメニューを食べようか…
〜頼んだのは〜
|
〜牛たん焼き〜
〜たんかの牛さがり焼き〜
[牛たん]
仙台の薄い牛たんと、たんかのそれとはまったくの別物。
まるでだし巻き卵のような厚みのある肉が運ばれてきた。肉の新鮮さを残しつつ程よく火がとおった牛たんは、まずはそのまま、それから粒マスタードを付けてで食す。
牛たんの概念を覆す弾力がありながらも噛むと溶けるような柔らかさには肥えたオヤジの舌もうならせる。
[牛さがり]
こちらも程よく火がとおされたさがり肉はワサビが絶妙に合う。
肉厚なのになんて柔らかさだ!
口の中でとたんに蕩けて消える。
まさに夢のような感覚。
〜牛テール焼き〜
外側の焼き目が香ばしい牛テールをつまみにちびちび飲むのがオツ。添えてある玉ねぎの酢漬けはこれだけでも酒のサカナにばつぐんだ。
リピート率90%と言われるメニューは「焼き飯」。
「チャーハン王(チャーハン専門店)でも食べることができる「がんこ親父の焼飯」。
そのままでも美味しいが、さらに特製のタレをかけると、夏にさわやかなお酢の効いたオリジナルな焼き飯に。
いろんな酒があるが、ここで呑んだのは「美田のごり」。
にごり酒特有のとろみがあって、辛口でありながらクドくない。極上の肉でもったりした口中を爽やかな後味で洗浄してくれるのだ。
ピッツェリア・ダ・ガエターノ
2019年12月にオープンのガエターノ。名だたる銘店が揃う三百歩横丁においてもひと際銘店感漂うお店だ。薬院の本店とはまた少しコンセプトも違い、カウンター席などもあってのんびりピッツァとワインが楽しめる。
ガエターノの名称は、ピッツァの発祥の地イタリアはナポリイスキア島の名店からきている。その屋号を継承することを世界で唯一許された店である。そんなエピソードを聞いてちょっと身構えていたが、店内はカウンター席などもあってのんびりピッツァとワインが楽しめる。
カウンター席でピッツア職人の手つきに酔いしれながら、楽しむのがおすすめだ。
そしてなんといっても目につくのが、存在感抜群のピザ窯。これが美味しさの秘訣か・・・。
思わず窯に一礼も欠かせない。ペコリ。
〜頼んだのは〜
|
〜樽生ランブルスコ〜
食前酒はスパークリングワイン。こだわりの「樽生」。
容器のデカンタがにわとりの形になっており、にわとりの口からワインが出てくる。(笑)
スパークリングと聞いて甘めを想像したけど、スッキリとした飲み口でしぶみも少ない。
個性のあるイタリア料理でそれぞれの料理を楽しむため、一度口の中をリセットするのにピッタリ。
控えめな泡は料理の邪魔をせず、炭酸が苦手な人もスイスイ飲める。
〜イタリア産生ハム&ロディジャーノチーズ〜
ガエターノに入ったらまずはコレ!
オーダーを受けてから専用のナイフを使いチーズの食感はふわっふわで口に入れた途端にほどけていくウットリする口当たり。
生ハムは、専用のスライサーで実現される驚きの薄さ。
香りで既に口の中は準備万端状態。
〜ナポリ名物 いろいろモツのピリ辛トマト煮込み“ズッパフォルテ”〜
モツ煮込みと聞くと、居酒屋のイメージが湧いただろうか。イタリアのモツ煮込みはナポリ名物のズッパフォルテ。豚の数種類の内臓を使った煮込み料理だ。トマトの香りとほんのり辛い口当たりが食欲を促進する。モツのうまみがしみ出したソースをあてに何杯でもいけそうだ。
〜ブラッティーナチーズとプチトマトのカプレーゼ〜
「ブッラータ(burratta)」は「バターを入れた」という意味する「buttered」が語源。中に入ったクリームがバターのような濃厚な味わいを楽しむことができる。
皿の上に乗った美しい形のブラッティーナチーズをナイフできってみると中から出てくるとろとろのチーズ。口に入れるとさらにクリーミーさが際立ち、もうこのチーズのとりこになってしまった。もちろんプチトマトやハムとの相性も抜群。
〜プレミアムマルゲリータ〜
こだわりのピザ窯で焼かれる、店名がつけられた名物ピッツァ。
本格ナポリピッツァの特徴、多くの気泡が含まれてふんわりしたミミはどっしり分厚くても軽い食感。トマトは甘くフレッシュ。
水牛モッツァレラの適度な甘みと塩加減が特徴。生地自体にも味がついていてミミの部分までもペロリである。
もちろんマルゲリータも美味しいのだが、ちょっとだけ贅沢してもいい日にはプレミアムマルゲリータをチョイスだ。
あぁ、ナポリを見ずに死ねない。。